6/10/2025

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スライ・ストーンの訃報に触れて

概要

ミュージシャンの スライ・ストーン (本名シルヴェスター・スチュワート)が 2025 年 6 月 9 日(現地時間)に亡くなったと報じられました。享年 82 歳。

まずは御冥福をお祈りします。

スライは 60-70 年代に活躍したバンド「 スライ&ザ・ファミリー・ストーン 」のリーダーでした。ソウルと、当時出始めだったファンク、さらにロックを取り入れた音楽性で、ヒット曲には"Dance to the Music" や "Everyday People" などがあります。

スライ&ザ・ファミリー・ストーンは当時としては珍しい人種混合・男女混合バンドでした。その理想主義と、当時の曲の享楽的な雰囲気は、ヒッピー文化に大きな影響を与えていたと思われます。

また、70 年代に入ってからはストイックな音楽性に移行し、いち早くリズムマシンを取り入れるなど革新的な試みを行いました。このころのアルバムには "There's a Riot Goin' On" があります。自分は "Fresh"が好きです。

影響(音楽界の)

スライの音楽と活動スタイルは様々なアーティストに影響を与えました。

例えば、 "There's a Riot Goin' On" の社会的なメッセージは、 マーヴィン・ゲイ の "What's Going On" とともに、70 年代ソウルに大きく影響を与えました。 スティーヴィー・ワンダー もこの流れを受けた一人です。

また、リズムマシンの使用や一人でグルーヴを作ってしまうあたりは プリンス にも影響を与えていると思われます。

同じくグルーヴへの意識(ひたすらループする曲も多い)は、 ディアンジェロ にも受け継がれています。彼の歌い方はスライっぽいと感じます。

影響(ごく個人的な)

自分もスライの音楽に影響を受けました。

最初に興味を持ったのはスティーヴィーやプリンスと同時期に、ソウルというジャンル自体への興味からだったと思います。

買ったのは "Fresh" でした。「ケセラ・セラ」という曲を知っているような気がしたからでしたが、実は同じタイトルの別の曲でした。でもすぐにその音楽性に夢中になりました。

特に作曲・アレンジにおいて、楽器を多重録音して「役割分担」するスタイルが、自分にとって衝撃でした。よかったら "In Time" を聞いてみてください。

In Time

この曲はリフ・ギター、オルガン、ベース、ホーンセクション、コーラスなどがそれぞれの「持ち場」を持って演奏しているように感じます。ドラムは細かいパターンを繰り返していますが、全体としては一つでは成り立たず、各パートが絡み合うことでグルーヴが生まれています。

このスタイルは、ディアンジェロなどのネオソウル・アーティストに強く影響を与えていると思われます。そして自分もこのスタイルに影響を受けました。

チャイム

自分の曲で言えば、例えばこの「チャイム」なんかがそうです(古い曲ですが……)。リズムマシンのカウベル、エレキギター、ベース、ドラムが絡み合うことで一つのグルーヴになっているように作ったつもりです。

まとめ

スライ・ストーンの音楽は、特にソウルとファンクのジャンルにおいて、革新的な影響を与えました。後年は病気などで音楽どころではなかったようですが、亡くなった今となっては、その魂が安らかに眠ることを願うばかりです。

#スライ・ストーン #追悼 #音楽 #ソウル